ニース風の定義って?
ニース風サラダは、南仏ニースの伝統的な地方料理で、トマトにじゃがいも、ツナ、ニース風オリーヴ、空豆、パプリカに葉物、セロリ、小さいアーティチョークなどなど。
そしてニース風らしさをかもしだすのは、やっぱりアンチョビに茹で卵といったところでしょうか。
もともとはトマトとアンチョビとオリーヴ油だけという、シンプルな地方料理で、野菜も本当は生のものだけで作るものだったのだそう。
ここに、ニースに近い村の生まれで、有名料理人のエスコフィエ(1846-1935)が、じゃがいもといんげんを加えたのだとか。
19世紀、ツナも贅沢品だったので、次第にアンチョビに取って代わられたらしいのですが、私は両方あるのが好きです。卵もたくさんの野菜も! やっぱり現代の豪華さ、私は捨てられません!!
ニース風サラダは、いまやパリ中どこの(たぶん)カフェでも食べられます。付いてくるパンとこれだけでお腹いっぱいのランチに。
そういえば、ドイツに赴任していた方からは、「ドイツにもあるよ」と教わりました。
専用のオリーヴって?
ちなみにニース風サラダに使うオリーヴは、やっぱり「ニースのオリーヴolive de Nice」。
小さめで、色が少し薄い黒紫色です。AOP(原産地保護名称)が付いた、フランスが誇る産品の一つ。ずいぶん昔プロヴァンスを旅行したときに、グラースからニースに向かうバスで、オリーヴ畑の中を通り抜けた景色が今も忘れられません。(もし私がカフェをすることがあるなら、「オリーヴ」か「オリヴィエ(オリーヴの木)」にしようと思っていたくらい!)
日本では、アルカンが「ブラックオリーヴ プロヴァンス」として販売しています。
(でもかつては、たしか「ニース風オリーヴ」だったような・・?)
丸い味で食べやすく、オリーヴの味もちゃんと残っているので、やっぱりこれじゃなくっちゃ! と思います。
ツナを自家製にしてみよう!
さてフランスのカフェではまず間違いなく、ツナは缶詰を使います。日本ならもちろん「シーチキン」ですが、じつはフランスにも缶入りの「マグロのコンフィconfit de thon」が売られています。
でももしちょっと余裕があったら、手作りにするとまた格別!
つまり自家製最上等シーチキンです。
- まぐろ(キハダがおすすめ)に強めの塩をしてしばらく冷蔵庫。タイムやローリエ、胡椒なんかも散らして!
- よく拭いてオリーヴ油をまわし、
- ごくごく弱火で火入れ。
(火から下ろして余熱で中心まで火が通るくらいがベスト! 強火すぎ、火が入りすぎは、ただのぱさぱさの魚です)
すぐもフレッシュなおいしさでOKですが、冷蔵庫で一晩寝かせると、とってもおいしいツナのできあがり!
夏のランチに、冷たいロゼ・・・コート・ド・プロヴァンスあたりと、一緒にいかがでしょう!