スープとポタージュの境目

スープって? ポタージュって?

【農耕者風ポタージュ potage cultivateur】

ベーコンと野菜がぎっしりのスープ。
学校で習って以来、大好きでずっとご紹介を続けている料理です。だしを使わなくてすむのも、便利。

野菜をペイザンヌ(農民)という形に切り揃えるところからスタート!
これは厚さ1〜2mmで1cm角か、三角形に切ること。

ベーコンをいため、野菜を入れて水を加えて煮ること少し。
バゲットにグリュイエールチーズを乗せてスープに沈めて、食べます。

おいしく素朴なスープが簡単にできあがります!


フランス料理のポタージュとは

ところでポタージュというと、私たちはなんとなくとろみのあるスープを意味するようなイメージがありませんか。たとえばカボチャのポタージュやコーンスープなど。

でもフランス料理には、澄んだポタージュpotage clairとつないだ(=つまりとろみのある)ポタージュpotage lieの2通りあるのです。

澄んだポタージュはお肉のブイヨンやコンソメのこと。

つないだポタージュは野菜の裏ごしがはいった、つまりカボチャのポタージュのことです。

ちなみに私たち日本人が思う「ポタージュはとろみがあって、コンソメはさらっとした液体」というイメージはアメリカから来ているのだそうです。

うさぎのブイヨン
レンズ豆ほろほろ鳥のポタージュ

スープからポタージュへ その歴史

スープとは野菜や肉の入った液体状の料理をさしますが、もともとは固くなったパン切れに液体をかけて食べやすくした料理をさしていたのだそうです。つまりパンの歴史と同じくらい古い料理ということに。

庶民は「スープ」という言葉を使い続ける中、18世紀には富裕階級はスープという呼び名が下品という理由で(!)、ポタージュと呼ぶようになった、と辞書にあります。

しかしポタージュpotageとはポpot(鍋)という言葉から来ていて、もともとは煮込み料理の一つのことであり、つまりポタージュは煮込みと液体料理の2つをさすようになったのだとか。しかしポタージュpotageとはポpot(鍋)という言葉から来ていて、もともとは煮込み料理の一つのことであり、つまりポタージュは煮込みと液体料理の2つをさすようになったのだとか。

スープとポタージュの定義 あれこれ

別の辞書には
・スープはこさないし、とろみもない。田舎っぽい、家庭的な特徴がある液体料理
・ポタージュは洗練されたイメージがある
とあります。

・スープは水ベース
・ポタージュはだしベース
と書かれている本も。

ということは、冒頭の【農耕者風ポタージュ】は、水とベーコンと野菜で作るのでポタージュではなくて、分類としてはスープなのでは!?

それにどちらかというと洗練されたイメージではなくて、家庭的で素朴な料理ですから、イメージもどちらかというとスープ・・・。

長年の疑問です。

ともあれ、簡単で素朴なスープの出来上がり!」

もう一つ ヴルテ

カリフラワーのヴルテ

もう一つ。ヴルテveloutéという料理もあります。

つなぎ(ルー、卵黄、生クリームなど)で濃度をつけたポタージュのこと。
ヴルテはveloursベロワ(つまりビロードのような)と言う言葉から来ていて、滑らかな舌触りをもっています。


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