フランスのお米と「リ・オ・レ」


リ・オ・レとは?

リ・オ・レとパイナップルのロースト

「リ・オ・レ」とは、お米を牛乳で煮て、日本人にはびっくりですが、砂糖やヴァニラを入れたデザートのこと。フランスでは伝統的な家庭のデザートです。もちろんレストランでも、デザートとしてでてきます。

最初に食べたときは喉の奥が若干「うっ」となるような気持ちでしたが、今はおいしく食べられます。お米のバニラ味も、なかなか!

生徒さんの中には、どうしても食べられない方も若干いらっしゃいますが、「おいしいですよ! おはぎみたいなものですから」とおっしゃる方もあり、捉え方はいろいろです。

でも。考えて見れば、牛肉に砂糖をかけて煮込むすき焼きも、かなり妙な料理ですから、お互い様!?

ところで、
「お米に牛乳と砂糖って、どうなの〜!?」
というお顔の生徒さんを前に、「食は経験が大切!」と強引に授業を進めます。

じつは亡くなったビゴさんがよくおっしゃっていた言葉です。子供の頃からいろんなものを食べるようしつけられた人は、未知の食べ物でもけっこう食べられるものだし、少なくとも「食べてみよう!」と思うことができるから。

私が付け足すなら、「最初はちょっとつらい食べ物も、嫌いと決めつけずに、10回食べてみたほうがいい」。

それでも嫌いなら、それはようやくほんとの「嫌い」。

最初は涙目で赤ワインで流しこんでいた仔羊も、価値がよく分からなかったフォワ・グラも、すっぱすぎたフランボワーズも、いまでは私の大好物です。

嫌いなものは一つでも少なくて、おいしいものが多い人生のほうが、はるかに楽しいですから!

素材としてのお米

さてフランスではお米は野菜や穀物のように、素材の一つにすぎないので、肉料理の付け合わせにも、サラダの具にもなります。お米のサラダのときも一緒にパンを食べます。だから、お米がデザートに使われてもおかしくないのです。

料理にはriz long(長粒米)を使いますが、デザートにはriz rond(丸粒米)を使います。これは日本のお米ジャポニカ種と同じで、ぱっとみたところ、日本のお米と変わりません。

ちなみにフランスでもお米は栽培されていて、南のほうのカマルグが一大産地。カマルグとはプロヴァンス地方アルルの近く(5km)にある湿地帯のことで、良質なお米の産地です。白い馬やフラミンゴがいる、自然豊かな土地です。

丸米、長粒米、玄米に、黒米とさまざまなバリエーションで育てられているよう。これまで何度も買って来ては、料理講座でたいていはピラフとして使っています。

カマルグの長粒米
ビオの赤米玄米
ビオの長粒米、5分搗き

家庭では

リ・オ・レのキット

これはリ・オ・レのセット。お米の牛乳煮を作るキットです。

塩バターキャラメルバージョンですが、使われているバターはその辺のものではなく、AOPのついたイジニーIsigny産。

リ・オ・レなんてあたり前なものを、素敵なものと組み合わせて、ちょっと素敵な商品にしてしまう。フランスはそういうのがじつに上手で、やるなあ、という気持ちになります。小憎らしいほどだなあ、と感心しながら、デパートでうかうかと2セットも買ってしまいました(2011年)。他にはパイナップルとココナッツ、生姜などありました。


ピンクのは「rose d’amour(愛のバラ)」、バラの蕾の砂糖漬けやローズ色の砂糖とお米が入っています。あとは牛乳を加えてことこと煮るだけ。たったこれだけのものなのに、何とも素敵です。



スーパーで

フランス人はよっぽど好きなのか、当たり前のデザートなのか、家庭用に4連プリンみたいなカップ入りタイプさえスーパーに売られています。

美味しく作られてました。お米率はちょっと低め!

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