チョコレートの使い分け

4つのタイプ

ご存じの通り、チョコレートは

  • ブラックチョコレート(スイートとも)
  • ミルクチョコレート
  • ホワイトチョコレート

のほかに、最近華々しく登場した

  • ルビーチョコレート
    の4つがあります。
カカオ豆

チョコレートとは、カカオ豆を発酵させて焙煎、砕いて潰したカカオマスに、カカオマスを圧搾して絞ったカカオバター砂糖を加えて固めたものです。

ここに乳成分を加えたものがミルクチョコレート。カカオマスを使わず、カカオバターに砂糖と乳成分を加えたものがホワイトチョコレートです。

カカオ分○%の意味とは?

よく言われる「カカオ分○%」とは、カカオマスとカカオバターを足したもの。

カカオマスからバターを絞った残りが、ココアパウダーです。(大豆を絞ったものが豆乳で、絞りかすが「おから」みたいな感じです。絞りかすには食物繊維やポリフェノールが豊富なので、体にもとてもよいとされます)

ではカカオ分のパーセンテージが同じなら、どんなチョコも同じかというと、そうではありません。会社によってどころか製品によって、それぞれカカオマスとバターの比率は違うので、%だけでは一概にくくれないのです。

よって製品ごとに、「焼き菓子に向く」とか「焼き菓子には向かない(=油が多い)」、「コーティング作業には向かない」などの特徴があり、製品カタログや紹介文には表記があります。

また袋を開けたら少しずつ香りが失われます。使用はお早めに。

製菓用にはじつにたくさんの会社、たくさんの種類のチョコレートが売られ、チョコレート好きにはなんとありがたいことでしょう。

チョコレートの使い分け、私の基本

教室では、基本のチョコレートがいくつかあります。それは、いろいろ試すうちにいつの間にかそうなったのであって、もともと決めていたわけではありません。

味と香りのためには

まずムースやボンボンのガナッシュやコーティング用には、ヴァローナ社のチョコレート。
これはダイレクトに仕上がるお菓子の味や香りに直結するため、「キャラ」がはっきりしているチョコが向くと考えるからです。

私が一番好きなチョコはカライブ66%ですが、何かと使いやすいのはグアナラ70%。しっかり濃いチョコ味がしますが、濃いだけではない、グアナラ独特の風味がお菓子にでます。

少しカカオ分の低いチョコレートとしては、カラク56%が好きです。
丸く上品な味ですが、甘過ぎません。ボンボンのセンターはカカオ分の多いチョコで作ると苦すぎるので、カラクをよく使います。

反対にコーティングは、かなり苦い70%越えのチョコレートでもOK!

ヴァローナにはほかにもたくさん種類があり、既存の
エクストラビター61%、エクアトリアル・ノワール55%
だけでなく、新しいグランクリュシリーズがでるたびに使ってきました。

トゥラカラム75%、アラグアニ72%、ニアンボ68%、アルパコ66%、タイノリ64%、マンジャリ64%、イランカ63%、マカエ62%、キダヴォワ50%、グアナラP125

これだけあると全部の詳細を覚えているわけではないのですが、あまり好きではない香りや味を持つものももちろんありました。でも選べることが素晴らしい!

飾りと仕上げのためには

また添えに使うもの、たとえばチョコでリボンやシガレットや飾りを作ったり、アントルメ(ムースケーキ)にすっぽりグラサージュをかけるときのベースには、カカオバリー製のエクセランス55%が重宝します。

これらは味の個性が必要というよりは、だいたいにおいては上質であれば充分。このようなときにはヴァローナほど高いチョコを使う必要はないと考えるので、そこまでは高くないが上質なカカオバリー製を使っています。

ホワイトチョコレートは

またホワイトチョコレートは、ムースやボンボンなど本体用にも、タルトの内側に塗るなど機能的な意味でも使いますが、私はカレボーのベルベット32%を使っています。

これは意見の分かれるところですが、ヴァローナの白(イボワール35%とオパリス34%)は非常に上品で、ホワイトチョコが苦手な人(一定の割合でいらっしゃいます)でも食べられるのだそう。

いっぽう、ミルキーな「いわゆるホワイトチョコレート味」が出したいときにはヴァローナは上品すぎて、あまり前に出てきてくれません。私はホワイトチョコ味がちっとも苦手でないので、分かりやすく味がでるカレボー社製を使っています。

バリエーションとしてのチョコ

待望のルビーチョコ

それから最近でてきた第4のチョコレート、「ルビー」もカレボー社ですね。

天然のカカオ豆からあの色が出てくるとは、今も本当に信じられない思いです。色粉を使わない私には、とても有り難い存在です。とてもキュートなチョコレート菓子が出来上がります。

みんな大好きキャラメリア

忘れてはならない存在は、ヴァローナのキャラメリア。
その名のごとく、キャラメル味のチョコレートで、これは私には「あかんやつ」。

あったらついついおやつのように食べてしまいます。私と生徒さんで、これまでいったい何袋を買ったことでしょうか! ブラックチョコレートは選択肢がいくらでもあるのですが、キャラメルに関してはこれだけ! 超えられるものはないとさえ思います。

ムースにボンボンにコーティングに、何かというとキャラメリア味を作りたくなってしまうのです。

フルーツクーベルチュールとは

ヴァローナにはインスピレーションシリーズといって、天然の色と香りだけをつけた「フルーツクーベルチュール」があります。いちご、フランボワーズ、柚子、パッション、アーモンドの5つ。これにとても凝っていた時期があり一通り使ってみることができて、とても楽しかったのです。

ただし、とても、とても高いシリーズです。天然のものだけで、あそこまでの味と香りと色を出すのですから、高くて当然なのですが!

一つ前のデザインは、こんな黒い袋でした。今はポップな柄に。

ちなみに、シリーズは違いますが、アゼリア35%はヘーゼルナッツの香りのチョコレート。ドゥルセ35%はビスケットやショートブレッドの風味のブロンドチョコレートです。それぞれおもしろいのですが、やっぱりキャラメリアの存在にはとうてい叶いません。

ミルクチョコレートも

そういえば、ミルクチョコレートもお菓子作りには必要でした。

エクアトリアル・ラクテ35%はおいしい(エクアトリアル55%があまり好きではないのに)し、グアナラ・ラクテ41%も好きですが、人気のジヴァラ・ラクテ40%は私にはそれほど響きません。

バイベ・ラクテ46%とタナリヴァ・ラクテ33%はグランクリュシリーズで、ともに個性のある上等でした。

それから最近でてきた第4のチョコレート、「ルビー」もカレボー社ですね。

天然のカカオ豆からあの色が出てくるとは、今も本当に信じられない思いです。色粉を使わない私には、とても有り難い存在です。とてもキュートなチョコレート菓子が出来上がります。

昔はこんなブロックから削っていましたが、いつの頃からかフェーヴに変わりました。

カタログを見ながら、過去のレシピと照らし合わせると、これだけ数あるヴァローナのチョコレートの中で、まだ使っていないのは2つ(イタクジャ55%と2つめのブロンド、オレリス)くらいと判明。これはなんとしても、制覇したい気分になってきました。

ほかにもおいしいチョコレートの会社はいくつもあります。
バリーにもカレボーにもたくさんのおいしいチョコレートがあるのですが、まだ試せていないものがいっぱい。

ほかにも会社もいっぱい!

オペラ社(フランス)もチョコヴィック社(スペイン)もよかったですが、最近はイタリアのドモーリ社がときどき登場。

そのままならスル・デル・ラゴ75%が。ムースにするならアプリマク75%がお気に入り!

忘れてならないのは、
日本のビーントゥーバー「カカオハンター社」。

たくさんの興味深いチョコレートが存在していて、カカオハンター小方真弓さんの活躍を私は応援しています。

ボンボンかタブレットか

デュカスのタブレット

教室には、
「起き抜けにグアナラ70%が食べられるか?」
という問いがあります。

私は苦いチョコレートが好きな方だとは思いますが、私よりも苦み走ったチョコレートが大好きな方が教室には数名。

その方々の答えは当然「イエス」です。
でも私は起き抜けにはブラックチョコは食べられません!

さらに
「ボンボンかタブレットか?」
という問いも。

  • チョコレートそのものの味や香り、食感を楽しむタブレット
  • チョコレートとの組み合わせの妙を楽しむボンボン

私はどっちも好きですが、究極にはボンボンを選びます。

ボンボンにするとき、もっとも重要なのはチョコレートの選択ですが、ほかに考えることもいっぱい。まずセンターのチョコ、組み合わせる素材とのマリアージュとバランス、全体の厚みとコーティングの厚み、コーティングのチョコなどなど、ポイントはいっぱいあって、考える、作る、味わうの、どれもが大好きなのです。

コーティングひとつをとっても、分厚すぎたら野暮ったい。でもできるだけ薄ければよいのかというと、そうでもない。口に入ったときにまず周囲のチョコが割れて香りがたち、溶け始める間もなく、センターが割れて溶けて香る。次にはセンターとコーティングのチョコが混じり合い、溶けていく・・というイメージなので、コーティングがあまりに薄すぎると面白くないのです。

ただし薄すぎるコーティングは、エンローバーというチョコを降らせるマシーンを使わない限りなし得ない技術!

教室で手でコーティング作業をするときに叫ぶのは、
「早く! もっと薄く!!」
です。

ジャック・ジュナンのボンボン
デュカスのボンボン
ベルナッションのタブレット

最近熱中していること

コロナ禍の21年夏、とうとう待ちきれなくて、フランス・アマゾンでタブレットの型を買いました。厚みがある、中に詰め物のできるタイプです。

秋まで待って、ようやくタブレット作りスタート!

中には、ピエモンテのヘーゼルナッツから作ったプラリネを入れ、
カライブ66%でタブレットに。
もう一つはいつだったお土産でいただいたベルナッションのオレンジの香りのマジパン入りが忘れられないおいしさで、トライ!

翌月はエクアトリアル・ノワール55%のガナッシュ×カライブで。
その次はいちごガナッシュ×グアナラ・ラクテ(41%)あるいは×ルビーチョコで。

タブレットの良さがありながら、ボンボンのように組み合わせの妙が
味わえて、なんて楽しいのでしょう!

当面熱中しそうな予感です。
(じつは生徒さんも、どんどんフランスに型を注文されてます!)

またまた新しいチョコレート登場!

新しいチョコレートが登場しました。
カカオバリーの「エヴォカオ72%」
ホールフルーツチョコレートです。

ホールフルーツチョコレートとは、
カカオマス、カカオバターから成るカカオ分だけでなく
砂糖の甘味に当たる部分までもカカオのパルプから作られた100%カカオ由来のチョコレート。バニラも乳化剤のレシチンも使っていないので、いっそうストレートに
果実としてのカカオを楽しめます。

ちょっと酸っぱく甘味は淡いのですが、あとから繊細なカカオの香りが追いかけてきます。なんとも言えない上質でフルーティな後味が残ります。

さらには、パルプの部分までも甘味として使うことで、ゴミは減り、農家の手取りも増えてSDGsに貢献する、とあります。

チョコレートとほかの素材とのあらゆる組み合わせは出尽くし、次はどこへ向かうのだろうと思っていたら、
こんな方向性だったとは!! 本当に驚いています。

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この記事を書いた人

フランス料理・製菓教室アトリエ・イグレック(大阪市)主宰。
滞仏経験に基づくフランスのトータルな食文化を紹介している。
エッセイ、取材本、レシピ本、翻訳本など。
・小麦アレルギー対応の米粉によるお菓子作りのレシピ開発と教室
・パンの業界紙に取材記事やフランスの焼菓子エッセイを連載
・パン・ド・ロデブ普及委員会 事務局長・理事
・(一財)藤井幸男記念・教育振興会 理事