フランスで使われている砂糖いろいろ
グラニュー糖
もちろん一番一般的なのは、グラニュー糖sucre semoule/ sucre en poudreです(写真:奥)。
日本のグラニュー糖と製菓用の細粒グラニュー糖の間くらいの大きさの粒のように思います。
逆にフランスには上白糖はなくて、日本固有のものです。
日本は北海道で育てられる甜菜糖由来の砂糖が80%、フランスはサトウキビ由来の砂糖が80%と聞きます(世界の比率もそれくらい)。
フランスは海外領土県がたくさんあって、南の島のサトウキビが豊富なのでしょう。
ちなみに粉砂糖はsucre glaceといいます。
カソナード
カソナードcassonadeはサトウキビの未精製糖で、軽い赤褐色をしています。
クレーム・ブリュレを焦がすときには必須の砂糖なのは、いわずもがな。
サトウキビ由来なので、焦がすと微かにラムのような香りがすると言われます。
ヴェルジョワーズ
ヴェルジョワーズVergeoiseとは、甜菜糖(砂糖大根)の生成過程で出来る茶色いお砂糖のこと。北フランスやベルギーでよく使われ、タルトにクレープに、ゴーフルにと地方色のあるお菓子に登場します。
独特の優しい風味があり、グラニュー糖とも、サトウキビの粗精製糖のカソナードともまた違います。
厳密には、茶色bruneとブロンド色blondeの2つありますが、日本に輸入されているのは、濃いほうの茶色でしょうか。写真はともに茶色いほうですが、少し色が違うのは、メーカーによる違い。風味も、濃い茶色のほうがお菓子によくでてきました。ともにフランスでメジャーな砂糖会社で、スーパーに並んでいます。
フランス北部リールあたりの地方菓子、タルト・オ・シュークルtarte au sucreを作りました。
変なのですが、北部でたくさんヴェルジョワーズが作られるのに、このタルトのレシピには、カソナードで作るものも多く、私も学校で習ったのはカソナード!
今回はヴェルジョワーズで!
グラニュー糖のかわりにヴェルジョワーズを使っても、おいしいパウンドケーキが焼けます。これはキャラメリゼした胡桃いり。
砂糖3種で作り比べ
お菓子講座で、ケーキの焼き待ちをしているときに、砂糖3種類で作り比べたら、どのくらい味が違うかな?とやってみました。
上からヴェルジョワーズ、カソナード、グラニュー糖です。
ヴェルジョワーズは穏やかな独特の風味がでてきておいしく、グラニュー糖はすっきりした甘さのサブレに。
カソナードは真ん中の風味。隣にベルジョワーズがいると、ちょっと中途半端な感じさえしてしまいました。