フレジエ Fraisier

フランスで春になるとお菓子屋さんのウインドーにいっせいに並ぶのは、フレジエFraisierです。

フレジエって?

フレジエとは、いちごfraiseを使ったケーキのことです。

サイドはいちごの美しい断面が見えるようになっています。
ジェノワーズ(共立てのスポンジ)2枚の間に、バタークリームをはさみ、いちごを並べます。スポンジはしっかりめに焼くので、シロップもかなりたっぷりと。

ケーキの上面は色をつけたマジパンを載せるか、あるいはイタリアンメレンゲで覆いバーナーをかけて焦がします。ちょっと甘いのですが、よく合います。バタークリームとは「本当はおいしいのだ!」と、このとき本当に初めて知りました。

フランスのいちごと日本のいちご

フランスのいちごは総じて日本のものほど甘くないこともありますが、香りが高く、酸味がしっかりしています。割とがっしりしていて強いので、ケーキにはさんで押してもびくともしません。

パリの学校にいたとき。フレジエの授業でスポンジにクリームといちごを置き、もう一枚スポンジをのせると、

「押しなさい、もっと、もっと!」

 とシェフが何度も言っていたものでした。

(えぇぇ、そんなに押したら、いちごがぐじゅぐじゅになるんじゃ・・・)

 なんて思いましたが、ちっとも潰れていませんでした。

フランスのいちごの旬は5月頃でしょうか、本来の露地物のいちごがでてくる初夏です。ペリゴール産がマルシェに並びます。 おいしい品種はマラ・デ・ボワmara des boisやセンガセンガナsengasengana、ガリゲットgaliguetteなど。

いつだったかの夏マラ・デ・ボワが、フォーションには1キロ23ユーロで並んでいました。マルシェに比べたらとても高いのですが、でも格別においしいものです。マラ・デ・ボワの時期は5月から10月。もし旅行で行かれるのなら、ぜひ探してみてください。

プルガステル産ガリゲット
ガリゲット種
マラ・デ・ボワ種

色粉のこと

さてちなみに、私は自分の作るお菓子には、ベーキングパウダーだけでなく、色粉も使いません。

食品添加物として認可されたものですが、一部には発がん性が取りざたされるものもあります。それに何より他の素材で何とかなるだろうと考えています。たとえばココアや抹茶は、味だけでなく、普通にその素材の色が表現できます。他にもフルーツのパウダーや、くちなしをよく使います。

フレジエには伝統的には上面にイタリアンメレンゲをのせるか、あるいはマジパンに色粉でピンクやうすい黄緑色をつけたものをのせます。

このときは紫芋パウダーでピンクを出したかったのですが、粒子が粗くうまく表現できなかったので、抹茶を使って黄緑色にしてみました。味に影響するほど抹茶を入れなくても、きれいな緑色がでます。難点は、抹茶ゆえ空気に触れると翌日には色が悪くなってしまうことでしょうか。

授業では一応色粉も用意して、ピンクを出したい人には自由に使ってもらっています。

今の私ならたぶんフランボワーズやいちごパウダー、ドラゴンフルーツパウダーを組み合わせて、きれいなピンクも出せるような気がします。

ところが最近のフレジエの風潮は、上にはマジパンもイタリアンメレンゲも乗せずに、いちごのジュレを乗せることが多いようです。

美しく、軽く、おいしいので、もっともだと思う反面、
マジパンやイタメレのも忘れないで〜!
と思っています。

最近のフレジエも作ってみました

こちらはいちごのムースリンヌバージョン

フレジエ2022は

いちごのジュレのせにしてみました。

授業ではオプションで
「いちごのムースリンヌ」にも変更可能に。

上にジュレが来ると、口の中にぱっと
いちごがダブルで広がり、

いっそうおいしいフレジエに。

しかしすべての高さや分量を最終的に合わせてこないと
いけないので、これまでで一番難しい!

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この記事を書いた人

フランス料理・製菓教室アトリエ・イグレック(大阪市)主宰。
滞仏経験に基づくフランスのトータルな食文化を紹介している。
エッセイ、取材本、レシピ本、翻訳本など。
・小麦アレルギー対応の米粉によるお菓子作りのレシピ開発と教室
・パンの業界紙に取材記事やフランスの焼菓子エッセイを連載
・パン・ド・ロデブ普及委員会 事務局長・理事
・(一財)藤井幸男記念・教育振興会 理事