復活祭の仔羊agneau de PâquesあるいはAgneau Pascal
は、アルザスで復活祭のときに食べられるお菓子です。
「復活祭の仔羊」って?
フランス・アルザス地方には、復活祭用のお菓子「復活祭の仔羊 Agneau de Pâques」があります。
キリスト様が復活されたことを祝う復活祭は移動祝祭日であり、春分の後の最初の満月の次の日曜日が主日にあたります。節食してきた四旬節が終わり、食卓には多いに春の恵みが並びます。旬である仔羊が代表的なご馳走です。
さて、復活祭とはキリスト教の移動祝祭日で、キリスト様がお亡くなりになって3日目に復活されたことをお祝いする日です。
移動祝祭日であり、
「春分の日のあと、最初の満月の次の日曜日」
と決まっています。
キリスト教ではもっとも盛大なイベントだそうで、日本でもあちこちの教会でミサがあるようです。
さてこれが「復活祭の仔羊Agneau de Pâques」、型にビスキュイ生地を流して焼き上げます。素朴なおいしさ。料理講座ではほぼ毎年、お食事の最後にプチフールがわりに、みなさんにお出ししています。
こんな型で焼きます
型はこちら。
アルザスの陶器の村スーフレンハイムSouflenheimで買ってきました。
そのときたくさんの工房を回り羊の型を探し続けましたが、なかなか見あたりません。お店の人に聞いてみました。
「そこ、そこ。それ!」
と指さされたのは、さっきからずっと「何だろ、これ?」と心の隅で思っていた茶色い変な形をした型です。まさかこの意味不明の物体から羊がでてくるとは、本当に思いもよりませんでした。
この町にはたくさんの工房があり、カラフルなペイントの施されたクグロフ型やテリーヌなどがずらっと売られています。これらの型は現代においてはあまり実用的ではありませんが、昔はお嫁入り道具だったのだそうです。
茶色い方のクグロフ型はもちろん実用のため。アルザス地方にあるお菓子屋さん・パン屋さんでは必ずと言っていいくらいにクグロフがおかれていますが、工房には陶器の茶色い型がずらっと並んでいます。
最近は日本でも通販で売られているのを見かけることがあります。
型、使いはじめ
型をおろすときには
「牛乳風呂につける」、工房によっては「空焼き(バターを塗って、100℃で15分を2回)」
などという指示が!
牛乳風呂は、土鍋で最初にお粥を炊くようなものでしょうか。
だとすると、空焼きは「土鍋の空だき」みたいでちょっと怖かったのですが
とても型抜けがよくなるようです。
仔羊、いろんなバリエーションで
いちど、ヴァローナのキャラメリアのフェーブを散らして焼いてことがありますが、比重の都合からか沈んでしまいました。意外にもフランボワーズはこのまま焼き上がります。
今年は、1つ(型を生徒さんが持ってきてくださいました)は粒マスタードのシフォン生地を流してアペリティフに。
もう一つはドイツの街で見た茶色い仔羊をヒントに、アーモンド、シナモン、カルダモンを使って。
(2024年4月)