火の入った果物のおいしさ

日本の果物は芸術的においしいと思います。いちごに桃、メロン、ぶどうなどなど。そのまま食べて、その味や食感、香りを楽しみます。

でも果物にはもう一つの楽しみがあります。
それは、火を入れたときのおいしさです。

りんごのキャラメルフラン
熱を入れたりんごがおいしいことはよく知られていますね。

昔、フランスに住み始めて半年が過ぎたころ、フランボワーズ(ラズベリー)にサバイヨンソースをかけて、オーヴンで軽く焼いたデザートを食べました。

それまでフランボワーズのことを、「可愛い! 可愛いけど、可愛いだけで酸っぱくてちょっと苦手!!」と思っていました。

ところが火の入ったフランボワーズを食べてみると、
な、な、なんておいしい!

酸味とともに、香りが立ち上り(熱のおかげ)、風味も増して(水分が蒸発して、濃縮します)、フランボワーズって素晴らしい!
と初めてそのおいしさに気がつきました。

かつフランボワーズは都会的な洗練されたおいしさや見た目を、食べ手に与えることができます(フランボワーズが育っている場所はもちろん都会ではないのですが)。

はっきりした味と酸味があるため、素材として使い勝手がよい点もすばらしい。数限りない組み合わせ方があって、お菓子やデザートに留まらず、料理にも使います(たとえばサラダのドレッシングや、鴨のソースなど)。

いちごやブルーベリーと合わせ、簡単なクランブルをかけて焼いてみませんか。スーパーに売っている冷凍品でもOKです。

同量のバター、小麦粉、砂糖、アーモンドプードル(あるいはココナッツでも)を指できゅっとつまんでそぼろ状にして、果物を並べた上にかけてオーヴンに10分か15分かけるだけ。たとえば20gずつ。

上にヴァニラアイスをのせれば、きゃーっと歓声の上がるデザートの出来上がり。酸味と甘味。熱いと冷たいを同時に味わえて、大満足です。たいして手は込んでいませんが、「作った!」感いっぱいです。

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この記事を書いた人

フランス料理・製菓教室アトリエ・イグレック(大阪市)主宰。
滞仏経験に基づくフランスのトータルな食文化を紹介している。
エッセイ、取材本、レシピ本、翻訳本など。
・小麦アレルギー対応の米粉によるお菓子作りのレシピ開発と教室
・パンの業界紙に取材記事やフランスの焼菓子エッセイを連載
・パン・ド・ロデブ普及委員会 事務局長・理事
・(一財)藤井幸男記念・教育振興会 理事