野菜を茹でるとき、まずたっぷりのお湯を沸かしてはいませんか?
実はそんなにお湯はいりません。なぜならお湯が多ければ、
野菜の旨味がどんどん流れ出してしまうから。
これはスープを作る、ポトフを作るときにもつながってくる事柄です(これはポトフのページにて)。
必要な水の量
教室ではいつも「最小限、かつ充分な水の量」と表現しています。
少なければ野菜の旨味の流出は少なくてすむからです。でも水に浸からない部分がでてくると火入れにもムラができるので、最小限であっても必要充分な量の水は必要です。
ついでながら、たっぷりの水は、水道、ガスや電気、時間の無駄使いでもあるのです。
ただし、ほうれん草や筍などのシュウ酸の多いものの場合は別です。人体にとってあまりよくないシュウ酸を流してしまうには、あまりに少ない水分量よりは少し多めにあったほうがよいと思います。
水が多いと、旨味はだらだらと流れ出します。また塩がすでにきちんと入っていれば、すでに水にミネラル分が溶けているため、旨味が抜けにくくなります。
塩加減
野菜を茹でるとき、塩はきちんと確信的にいれましょう。
理由は
塩をきちんとすることで旨味の流出が防げるから。
旨味は真水よりも、ミネラル分が先に溶け込んだ水のほうに、より溶け出しにくいからです。だらだらっと旨味の流れ出た野菜は、だらしない味に! 茹で野菜として食べるときはもちろんのこと、スープのときも、ラタトゥイユのときも、人の舌は確実にその味の違いを感じることができるのです。
ほかにも
・ 下味がつく(=おいしい)
・ 緑色が守れる(=見た目に美しい)
・ 短時間で柔らかくなる(=うまみの流出が少なくてすむ→おいしい+ガスの無駄遣いをしない)
などの利点もあります。
塩の%を厳密に決めて量り入れるというやり方もありますが、私には面倒すぎます。
そこで教室では、茹でるお湯に塩を入れてから、ぺろっと嘗めて確認します。*やけど注意。
嘗めてみて、きちんと塩味がしたらOK
ものによっては「海水の手前くらいに」と言うこともあります。たとえば茹でたあと、冷水に取るようなとき。
ただしじゃがいもは別です。じゃがいもは塩を非常によく吸うので、辛めの塩水で茹でると、塩辛すぎる結果に。ただし薄すぎると、旨味は流出して残念な味になりますので、「うっすら塩味」程度が適当です。