フランスのグリオット griotte
サワーチェリーcerise acideはあまり生食に向かず、日本では製菓用の缶詰以外では見かけないため、知られていないように思いますが、フランスでは、サワーチェリーの一種、グリオット種のさくらんぼを使ったお菓子がたくさんあります。
小さく、濃赤で、独特の風味を持っています。生食することはないからか、マルシェでも生の状態のサクランボを見たことはありません。(通常のタイプのチェリーはもちろんたくさん売られます。)
シロップ浸けやキルシュ漬け、チョコレートと合わせたり、ムースにしたり、多種多様な合わせ方があります。
最初はびっくりしましたが、この強い風味があってこそ、チョコレートと合わせてもチェリーの風味が感じられ(つまりアメリカンチェリーとチョコを合わせても、チェリーは完全に負けますが、グリオットならマリアージュが生まれます)、お菓子の風味として成り立つのです。だから製菓用ピュレも冷凍のホールも、つねに冷凍庫にキープしています。
日本のサワーチェリー
日本でもサワーチェリーが作られていると知ったのはつい最近のこと。
岩手のサンファームから取り寄せてみました。
日本でもサワーチェリーが育てられてるなんて!と感動です。
生で食べてみると、甘味がなくて素っ気ない感じ。ところが少し火を入れると抜群にそのよさを発揮します。
クラフティを作ってみました。
ほんとは種は抜きませんが、食べる人をびっくりさせるので、種を抜いて、枝も(干したらお茶にできます)ガーゼに包んで一緒にシロップ煮に。
クレープ生地を流しこんで焼きます。
酸味がきりっと引き立って、なんとおいしいこと!
クラフティはうっすらぼんやりしたところがあるのを否定しませんが、国産サワーで作ると、びっくりのおいしさです。これまでいろんなチェリーで作ってきましたが、これが今までで一番おいしいクラフティ!
ジャムにしてみたら、これまた酸味がきりっとして、独特の香りと濃厚さがでてきて、食べ終わるのがおしいようでした!
また来年もぜったいに買いたいチェリーでした。(24年7月)