カルダモンって?
カルダモンはショウガ科の香辛料で、南インドやスリランカあたりが原産です。価格的にも香り的にも、「香りの女王」と呼ばれるそう。
写真は緑カルダモンで、爽やかな香りがあり、よく肉の臭い消しに使われます。ホットワインやサングリアにもよく登場しますし、カレーやマサラにも必須。
そうそうコーヒーに使われたり、サブレやチョコレートにもよく合うのです。
衝撃のおいしさ「カルダモンのバブカ」
パリ「レオニベーカリー」のカルダモンのバブカには、ほんとに驚かされました(23年6月)。
はっきりとしたカルダモンの香りが口いっぱいに広がり、でも砂糖と絶妙なバランスで巻いてあり、
「日本でこれが受け入れられるとはちょっと思えない強さだけど、でも個人的にはかなり好きかも!」のおいしさ。
作って見たい!
というわけで、作ってみました
パリ・ラファイエットデパートでカルダモンのパウダーを買ってきました。
日本で買ってもパリで買っても、そもそもインドやパキスタンから来るのだし、さして変わらないでしょうけど、気分も上がるかな〜と思って。
ところが、これがびっくり。
とても香り高く、近所で買ったカルダモンと全然違うのです!
しかし「こんなのを嬉々として作るのはおそらく私だけで、きっとお菓子講座のみなさんはシナモン入りのほうがいいに違いない」と勝手に思い込んでいたのです。
でもレッスンが始まり、
「選択制でやります。カルダモン、シナモン、両方のミックス、どれがいい?」
と聞いたら、ほとんどの方が
「カルダモン!」
えー、どうしましょう。
「あんなふうに説明されたら、みんなやってみたいに違いないじゃないですか!」とは、アシスタントの弁です。
完全に、皆さんの心理を読み間違いました。つまり、足りないのです。
レオニベーカリーのは、ものすごくはっきり強いカルダモンでしたが、今回のはもっと上等で、かつ上品な香り。
「もっと入れたい〜!」
とはいえ、ないものはないので、少ないながらも上品に香らせ、とてもおいしいバブカが焼き上がりました。
それにしても、もっともっと入れていれて、パンチのあるバブカ・カルダモンが作りたいものです(24年1月)。
ミロワールmiroir
は、鏡という名前の小さいサブレ。中心にピカピカのジャムを入れます。
この土台となるサブレ生地にもカルダモンとシナモンで香りを付けてみました。長くよい香りが楽しめて、とてもおいしかったです。
グロゼイユとアプリコットで。
野生のカルダモン cardamome sauvage
突然、カルダモン好きになった私は、次のパリで、野生のカルダモンなるものを見つけました。びっくりの見かけは、外側の皮がないからのようです。
さてどうして使ったものか? 香りは、「強めのお仏壇」。
「スパイス屋さんの香り」と表現する人も。
ネットを検索してみました。フランスのスパイス屋さんのサイトあちこちにはもちろん登場していて、
「エレガントな花のノートとローリエのタッチ」などの表現が!
合わせるものは「茄子、にんじん、かぼちゃ、きゅうりなどほとんどの野菜。仔羊、鳩、鴨、ホロホロなど家禽類、油ののった魚、鯖、にしん、まぐろ、サーモン。パイナップルのシロップ、フルーツサラダ、柑橘類のソルベに」
とありました。
というわけで、作ってみました
「ズッキーニのファルシー、トマトのリゾット添え」
ファルシーは、もとはニースの地方料理で、いろんな野菜に詰め物をしてローストした夏の料理ですが、いまやフランスの家庭料理です。今回は豚ミンチにカルダモンやオールスパイスで香りを付けて、丸ズッキーニに詰めてオーブンでロースト。おいしく夏の味をいただきました。
黒カルダモン cardamome noir
この前のパリ・ボンマルシェで、黒カルダモンもあるのを見たのです。ちょっと高いなあ、、次のお店でと思ったらなくて、次回買って来ます。というわけで、カルダモンシリーズは続きます。