フランスでキャベツといえば・・
フランスで、キャベツと言ったら、葉がちりちりと縮れている
縮緬キャベツchou friséを指します。
スーパーでもマルシェでもキャベツ売り場のど真ん中をどーんと占めるのは、このちりめん。
日本のように生で食べることはなくて、かなりしっかり茹でてから使います。葉はがっしりと固くて、さっと茹でたぐらいではバキバキ、ごわごわ。かなりしっかり茹でてる必要が。それでも煮くずれることはなく、たのもしい食感なのです。
日本のような葉っぱのつるっとしたものも、「白いキャベツchou blanc」と言い、あるにはあるのですが、いつもそれは売り場の片隅です。
いったいそれは誰が何のために使うのだろうとふと思いましたが、そうそう、シュークルートはこちらのつるっとしたタイプのキャベツです。
日本でもサボイキャベツの名前で作られています。国産のちりめんキャベツは土の都合なのか、向こうのよりも少し柔らかく、また水の都合なのか早く煮えるように思います。
ただし問題なのは、生で食べられないということ。トンカツを作っても生のキャベツの千切りというのはありえないので、フランスにいたときは「たまにはキャベツの千切りが食べたいなあ・・」と思っていました。
それと最近知りましたが、「縮緬キャベツには、キャベツ特有のにおいがない」ということ。大学で植物栽培にかんする技師をされている方に聞きました。たしかに!
フランス版ロールキャベツ
フランス版ロールキャベツともいえる「シュー・ファルシーchou farci」。ファルシーとは、「詰め物をした」という意味です。葉っぱをしっかり茹でて、中にはミンチを詰め、球状に包み直してもとのキャベツの形に戻し、蒸し煮にします。これはなんとも楽しい作業なのです。
私はじつは煮すぎたキャベツや白菜があまり好きではないので(葉の裏表がずるっとずれる感じがたまらなく苦手)、ちりめんキャベツが大好きです。
シュー・ファルシーはオーヴェルニュの地方料理であり、現地ではお米を入れることも!
昔は農民料理のイメージがあったようですが、いまやブラッスリでも、美食のレストランでも作るように。何世紀にもわたるフランスガストロノミー伝統の一皿でもあるのです。
ちなみに「ロールキャベツ」は世界各地にあって、発祥はトルコの「ドルマ」。もとはぶどうの葉っぱで肉やお米を包んでいた料理と言われています。つまり、日本のロールキャベツも、繋がってくる、ということですね。
縮緬キャベツで
日本でも少しですが、育てられていて、冬場は手には入りやすくなります。
ポトフやポテなどの煮込みに、レストランの細工料理に、大活躍です。