フランスの白いんげん豆 いろいろ

haricots blancs 白いんげん豆

いんげん豆は、ローマ教皇クレメンス7世が、フランスのアンリ2世に嫁ぐカトリーヌ・ド・メデシスに持たせたことからフランスに広まったのだそうです。フランスにはいろんな白いんげん豆の種類があり、ついつい手に取りたくなってしまいます。

ランゴ・デュ・ノール Lingot du Nord

ランゴLingot(鋳塊とか弾丸の意味)種はフランスの白いんげんの中では大粒の品種です。この製品には、品質のあかし、AOP(原産地保護名称)のほかにラベル・ルージュLabel Rougeも付いていて、おいしそう。

ゆっくりと茹でてピュレにしてタコのお皿に添えてみました。

カステルノーダリーの白いんげん豆Haricots de Castelnaudary

カルカッソンヌのお土産に、「カステルノーダリーの白いんげん豆」を頂いたことがあります。

これはもうカスレを作るしかありません!

カスレというのは、ラングドック地方の郷土料理で、白いんげん豆を羊、鴨、豚肉、ソーセージなどと一緒に煮込んだもの。カソールcassoleという茶色い陶器で供することになっています。カスレという言葉もこのカソールというお鍋の名前が転じたものです。

ものすごくしっかりどっしり重たい料理で、一つの鍋の中にいろんなお肉が入ります。

そもそもカスレはカステルノーダリーで生まれ、カルカッソンヌに伝わり、さらにトゥールーズに派生したと聞きます。カステルノーダリーのカスレがカスレの父、カルカッソンヌのそれが子、トゥールーズのそれは聖霊という表現さえされるのだそうです。

タルブ産白いんげん豆 haricot blanc Tarbais

これは認定講座のカスレのために使ったタルブ産の白いんげん豆です。タルブの町はラングドック地方、カスレの本場にあります。

トマトソースで煮たいんげん豆、塩漬けの豚バラ肉、羊も焼き、コンフィを焼き、トゥールーズソーセージもあたためて

全部を一緒にオーヴンで焼いたら出来上がり!

重たいけれど、とてもおいしい地方料理です。

丹波・農家民宿岡田さんにて(24年7月)

フラジョレ Flageolet

白いんげん豆の仲間ですが、ちょっと緑色がかっていて、茹でてもほくほくはせず、ちょっとプツっ、つるんとした食感。仔羊のもも肉gigot d’agneauに添えるのが定番の食べ方です。

フラジョレ豆のプロバンス風

モジェット Mogette

ヴァンデ地方のモジェットには、IGP(地理的保護名称)とラベル・ルージュの認証が付いていました。ブルターニュ風の煮込みにして、タラに添えてみました。残ったお豆は潰してスープに!

ココ coco

ココは小さい白インゲン豆の品種です。写真をよく見たら、エチオピア産とあります。

見かけによらず茹でるのにけっこう時間がかかり、かつむっちりした食感です。
ブルターニュ風の煮込みにして、最後にほろほろの煮汁を足しただけで、とてもおいしい付け合わせになりました(12年6月)。

どのいんげんが一番好きかと聞かれたら、やっぱりこのココ。小さくて食べやすく、なんとも可愛いから。

そして特別な思い入れがあるのは、いつだった講座で使ったものを農業をされている方が少し持ち帰られ、育てて、また持ってきてくださったことがあり、そのココで料理ができたことがあったから。特別に大事に思っていますが(勝手ながら!)、栽培はとても難しいのだそうです。

ココの栽培は難しいそうです(24年7月)

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