生アーモンド amande fraiche

生のアーモンドを食べるの?

フランスでは初夏になると、生のアーモンドがこんな風に黄緑色のローブに包まれた状態で、マルシェによく登場します。

何にするのかといえば、割って、生のままサラダに散らしたり、同じ時期に登場するアプリコットに合わせてデザートに使うのが定番。

おいしいの? どんな味?
と問われれば、さしておいしくはない・・が正直なところです。でも良いのに当たると、奥のほうに、私達の知るアーモンドを生っぽくした風味があるのが分かります。

季節外れは、味なんてまったくしません。

実はまったく乾燥していないので、殻がなかなかパリンとは割りにくく、難儀します。

デュカスの料理教室で

ものすごく前にパリのデュカスの料理教室に行ったことがあります。

メインは仔羊のセージ風味のコンフィ、大麦添え
Agneau confit a la sauge, orge perle
仔羊の肩肉epaule d’agneauをセージや赤ワイン、鶏のブイヨンとともに2時間半ゆっくり火を入れます。

添えには大麦を使い、生アーモンドで風味を加える・・・とのことなのですが、材料としてでてきたのは、元気がないどころか、黒っぽくなりはじめた生の殻付きのアーモンド。
「そもそも今はアーモンドの季節じゃないけど、でもまあ中は大丈夫だ」とシェフ。生の殻付きアーモンドが黄緑色のビロードに包まれてマルシェに出てくるのは初夏なのに、このときなんと1月!
(どうなんだろう?)と思いながら殻を割って、中身を取り出してみると・・・、それは美しい紫色をしたきれいなアーモンドでした! (残念ながら風味なし) 
料理はじんわりしみる、心和むおいしさでした(2011年1月)。

殻付きのアーモンド

殻付きのままの、生の(ローストしていない)アーモンドはパリでときどき見かけます。

鍋底で殻を割り、中の仁をとりだして使います。

でもそんなもったいないことはなかなかできないので、買ってくるたびに(うれしくて、つい買ってしまいます)殻ごとオーヴンでローストして、割って、チーズに添えて、大切に食べます。

プロバンスのアーモンド

おみやげに、プロヴァンス産のアーモンドをいただきました。

アーモンドといえばアメリカ産、最近はスペイン産やシシリー(イタリア)産が有名ですが、じつはフランスのプロヴァンスでもアーモンドが収穫されます。

フランスのお菓子の本には「カリフォルニア産は形がよく白いが、味がない」けれど、プロヴァンス産は「不揃いで小さいのもあるけど、味がよい(あくまでもbyフランス人)」と書かれています。少し曲がった形(=「柿の種」みたいな感じ)

何にしようかしら? ひとまず生で囓ってみました。甘い! ふわーっと甘味が感じられます。

かりっとローストして、塩アーモンドにしました(2015年5月)。

びっくり! 国産のアーモンドがあったなんて

愛媛のアーモンドをいただきました! 八百屋さんで「プロ向け」として売られていたのだそうです。ほんとにびっくりしました。日本でもすでに商業販売されていたなんて!

さっそく剥いて、鍋底で叩いて割って(叩きすぎると木っ端みじん)、茹でて皮を剥きました。今回は帆立と茹で落花生の前菜の中に忍ばせて食べました。もちろん強い味はしません。うまくいけば、ふんわり微かにアーモンドの風味が感じられます。

ところが別にローストしてみた粒から、ふとビターアーモンド香が香りました
まさか!
でもどれか一粒だけ、微かに微かに香ります。

ほんとにびっくりでした。製菓材料の問屋さんに聞いてみたことがあるのですが、ビターアーモンド香のあるアーモンドは、
品種ではなく、地域でもなく、畑でもなく、「」によるのだそう。

つまりこの貴重なアーモンドの中にも、ビターアーモンド香のする木から取れたアーモンドが混じっていた可能性があるということ!本当に貴重な体験をさせていただきました(2023年9月)。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!