トリュフの魅力 truffe 

トリュフ、いろいろ

トリュフは
「エロチックで食いしんぼうな回想を蘇らせる」
とは、「美味礼賛」で有名なブリア・サヴァランの言葉です。

エロチックかどうかはおいといても、うっとりするような香りに満ちていて、
なんとも幸せ。

フランスでは、ペリゴール地方産の黒トリュフが有名で、日本までやってきた冬トリュフは、相当に値が張ります。

いつだったか料理教室のため、アシスタントに、日本に到着したてのトリュフを業者さんの倉庫まで取りに行ってもらったことがあるのですが、そこから電話がかかってきて、

「ま、ま、万円を超えてますが、ほんとに合ってますか!?」。
たった1個ですから、それはびっくりしたことでしょう。

トリュフには、黒トリュフと白トリュフ(イタリアのアルバ産が有名)があって、夏、秋、冬トリュフとあります。

トリュフのない春先にも、最近は季節が反対のオーストラリア産の冬トリュフがでてきて、年中使える状態になりました。(とはいえオーストラリア産でも冬トリュフはとても高くて、気軽に手を出せるレベルではありませんが)。

じつはそれぞれ別のもので、違う学名を持っています。夏トリュフをそのまま土中に放置したからといって、秋トリュフになるわけではなく、もちろん秋トリュフが冬トリュフになるわけではないのです。

夏から秋、秋から冬へと値段はだんだんと高くなります。しかもその値段は「時価」!
なんておそろしいことでしょう。

香りもおおむねだんだんと強くなってきますが、それぞれ少し別の香りを持っています。

映画「大統領の料理人」のワンシーンより

冒頭の写真は秋トリュフで。

映画「大統領の料理人」の印象的なワンシーン・・主人公の女性料理人とミッテラン大統領が、夜の厨房で食べてた・・をなぞって、教室でやってみたときのもの。

映画公開は2012年。私もそのうち・・・と思ってから、うっかりと8年もたってました! (映画は冬トリュフの設定のはず)

秋トリュフは、もちろん夏トリュフとはあきらかに香りも違います。その香りは何に似ているかというと・・・?

「ごはんですよ!」

そう、のりの佃煮です。

もちろんベースにはどのトリュフにも共通の官能的な香りがあるのですが、プラスで「ごはんですよ!」

秋トリュフ

秋とはいえ、せっかくのトリュフですから、フランスのバターを買いました。お塩はゲランド。パン、どうしよう!?と思っていたら、ありがたいことに仁瓶利夫さん(元ドンク技術顧問)からちょうどパン・オ・ルヴァンをいただき、至福の組み合わせになりました。

みんなできゃあきゃあ言いながら、幸せに酔いしれました。映画では「パンにがりがりと音をたててバターを塗るのが印象に残っている」と、生徒さん。私が覚えていることと言ったら、
トリュフとバターとパンだけ!

主人公が厨房にいて、誰か年配の男の人がやってきて一緒にタルティーヌを食べてたな・・・くらい。それが大統領だったことも忘れてました。

もう一回見なくちゃ。
ちなみに女性料理人は実在の人物です。 

さて夏トリュフはまずまず気軽に買える価格帯なので、教室ではよく使います。

教室にトリュフが登場する回は、いつの頃からか、
密閉されているビニール袋をあけて、臭いを嗅ぎ、すぐにまたぎゅっと口を閉じて、次の人! 
と回し嗅ぎをしていくのが儀式のようになっています。

ロットによってはそれほど香らないときもありますが、これもまた致し方なしです。

何より私がよくトリュフを使うのは、私自身もそうですが、教室でみなさんが、
「わぁ!」
と喜んでくださること。

ちょっと幸せ。ちょっと贅沢感。

何より楽しさをもたらせてくれる素敵な存在です。

トリュフを使った料理、いろいろ

トリュフは、ファルスに混ぜ込んだり、鶏の皮と身の間に差し込んだり(ドゥミ・ドゥイユ=半喪服風といいます)、すり下ろして散らしたり、じゃがいもでサンドしてパイ皮に包んだり、シューに入れたり、サブレに焼いたり、クレメにしたり。

かなり幅広くさまざまな料理に使うことはできますが、「よく合う素材」というものがやあり、肉やオマール、魚のほかには、じゃがいもをよく合わせます。

逆に、たとえばトマトソースとか青魚には合わせないように思いますし、チーズならカマンベールやブリーには挟むけど、ブルーやシェーヴルには挟みません。

よくパスタや温かい料理に上からすり下ろして散らしますが、生のまま食べるというよりは、ふわっと下からの料理の熱で軽く香りを立たせるくらいが一番よいのかもしれません。

さて冒頭の冬トリュフは12月、雉のサルミに使いました。
袋を開けただけで、もう、ぶわんと強い香りがあります。

夏トリュフも秋トリュフも楽しませてもらっていますが、冬トリュフは、やっぱり色も香りも全然違って、トリュフはやっぱりこうでなくちゃ!と思わされる、官能的な香りです。

「白い筋が入っているのがよいトリュフ」だと教えてくれたのは、いつだったかに行ったトリュフの産地ペリグーの朝市のトリュフ屋のムッシュでした。

オムレツにするなら前の晩から、密閉できる容器に殻ごとの卵と丸ごとのトリュフを入れて、一晩。

リゾットにするなら、お米を入れた木箱にトリュフを置いて、やっぱり一晩おいてから。

レストランでは、うやうやしく木箱に入れられたトリュフが、サービスの手によってしずしずと運ばれてきます。木箱がぱかっとあけられて、
「いかようにも料理しますが、いかがですか」
と問われます。

冬トリュフはだいたい2月まで。
価格は、冬が深まるにつれて高くなるので、私が買うならギリギリ12月といったところでしょうか。

もっとも高いアルバの白トリュフは、1キロで50〜60万円くらいするのが普通なので、なかなか手がでません!
出してみたい!!

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